無重力ストレスに対する極初期応答酵素(アコニターゼ)の同定 - 公募研究

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研究課題名 無重力ストレスに対する極初期応答酵素(アコニターゼ)の同定
研究代表者
二川 健
研究分担者
  • 小林 剛
    名古屋大 大学院医学系研究科・講師
  • 平坂 勝也
    長崎大学 水産学部・助教
  • 榊 建二郎
    東京女子医科大学 医学部・講師
  • 加藤 真介
    徳島大学 医学部・教授
  • 真板 綾子
    徳島大学 医学部・特別研究員
  • 内田 貴之(2017年4月より)
    徳島大学 医学部・助教
  • 中尾 玲子(2017年4月より)
    徳島大学 医学部・講師

目的

筋萎縮などメカニカルストレスの応答異常による疾患(いわゆる無重力病)は代謝疾患である。つまり、メカニカルストレスに対する臓器・細胞の応答異常は、遺伝子異常を伴わない。研究代表者は、究極のメカニカルストレスである、無重力環境に対する生体の応答を、網羅的な代謝レベルの解析(メタボローム解析)を基盤に研究してきた。その結果、メカニカルストレスはミトコンドリアの代謝に最も強い影響を与えることがわかった(=無重力環境は負荷がかからないため、運動のためのエネルギー産生を必要としない)。つまり、メカニカルストレスは、筋肉や骨の細胞だけでなく、身体中のどの細胞にも影響を与えるストレス源である。本研究では、無重力病の誘因となる極初期の無重力応答の分子装置MAM (mitochondria-associated ER membranes)と酸化ストレス応答酵素を同定し、その相互作用と代謝機序を解明することにより、無重力病を克服することを目指す。

これまでの研究概要

申請者らは、本研究の準備として、宇宙サンプル(宇宙で培養した筋細胞、筋組織)を有しているだけでなく、細胞・組織に様々な機械的ストレスを負荷する装置やその解析装置も備えている。人類の活動範囲を飛躍的に高める「極限生物学」とも呼ぶべき融合分野を創設するとともに、無重力病を克服しうる治療法も開発している。

1)無重力による筋細胞内シグナルトランスダクション
無重力環境で培養した筋細胞のメタボローム解析を行い、筋細胞に酸化ストレスが蓄積していること、エネルギー産生系に異常があることなどがわかった。

2)無重力環境のミトコンドリア動態
ミトコンドリアを可視化した筋芽細胞を無重力環境で培養し、ミトコンドリアの形態を経時的に観察した。現在、データを解析中である。

本年度の研究計画

本年度は、以下の様な研究を行う予定である。

1)無重力病の代謝異常の誘因となるオルガネラ相互作用の発見
筋細胞など哺乳動物の細胞に様々な力学的負荷をかける。その時のMAM構造やその後の酸化ストレス、カルシウム代謝をPLA法(Proximity Ligation Assay法)や蛍光顕微鏡で解析し、ミトコンドリアと小胞体の相互作用が無重力病の極初期の応答装置であることを実証する。

2)無重力に対する極初期応答酵素(Aconitase2)の同定
これまでの研究で、無重力環境で培養した筋細胞ではAconitaseの基質であるCisアコニット酸が蓄積したことより、無重力ストレスはAconitase活性を阻害することを発見した。上記の細胞のエネルギー産生系代謝産物をメタボローム解析し、Aconitase2が無重力ストレスに最も鋭敏に反応する分子であることを明らかにする。

図. 新学術公募二川班と計画班との連携