複合的宇宙リスク管理のための生物影響モニタリングシステムの構築- 公募研究 2018-2019

  1. A01 小椋
  2. A01 高橋(秀)
  3. A01 高橋(智)
  4. A01 道上
  5. A01 檜井
  6. A01 湊元
  7. A01 二川
  8. A01 茶谷
  9. A01 川上
  10. A01 秋山
  11. A01 冨田
  1. A02 篠原
  2. A02 三枝
  3. A02 前川
  4. A02 安部
  5. A02 大神
  6. A02 河野
  7. A02 高野
  1. A03 鈴木
  2. A03 中村
  3. A03 原田
  4. A03 小林
  5. A03 宮本
  6. A03 舟山
  7. A03 柿沼
  1. B01 ラザルス
  2. B01 加藤
  3. B01 國枝
  4. B01 北宅
  5. B01 沢野
研究課題名 複合的宇宙リスク管理のための生物影響モニタリングシステムの構築
研究代表者
中村 麻子
連携研究者
  • 鈴木 孝明
    群馬大学大学院理工学府・准教授

放射線被ばくは、宇宙線被ばくや医療被ばく、さらには福島原発事故に代表されるような予期せぬ放射線被ばくなど様々な場面において発生する可能性があり、線量評価による生体影響(発がんリスク、循環器疾患リスク、神経変性疾患リスク)評価の重要性が指摘されている。放射線被ばくの生体影響を評価する方法として、リン酸化型ヒストンH2AX(γ-H2AX)を用いたDNA損傷モニタリング法がその高感度な検出感度からも期待されている。しかしその一方で、γ-H2AXアッセイを含めほとんどの影響評価アッセイは実験室ベースで行われることがほとんどであり、国際宇宙ステーションのような『現場』における解析作業はいまだ困難な現状である。

そこで本研究計画では、微量の血液サンプルからリンパ球を分離回収し、γ-H2AXによるDNA損傷検出を行うAll-in-one型PDMSチップの完成・実装化を目指す。また、近年宇宙放射線が循環器疾患リスクを上昇させる可能性が示唆されたことから、循環器疾患リスク評価のためのバイオマーカーの確立が求められている。さらに、宇宙空間での微小重力環境が骨密度の低下や筋低下などを引き起こし、結果として様々な老化関連疾患が加速されることが懸念されている。放射線誘発の循環器疾患と、微小重力誘発の循環器疾患が同じメカニズムによって誘導されるかは不明だが、少なくとも宇宙空間において循環器疾患リスクが相乗的に上昇することは明白である。そこで、本研究では循環器疾患リスクに着目し、リスク評価のためのバイオマーカーの検討を行う。本研究で開発するPDMSチップは、チップ内部の微細構造にトラップされた標的細胞に対して様々な抗体免疫染色だけでなく、fluorescent in situ hybridization (FISH)も可能であることから、γ-H2AXによるDNA損傷に加え循環器疾患バイオマーカーの検出にも応用可能である。

以上、本研究は「宇宙に生きるためのリスク」を評価し、「健康的に生きるための方針」を提言するための基礎的知見を得ることを最終目的として、宇宙リスク管理のためのバイオマーカー評価システム構築およびリスク低減化策の提言を目指す。