宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくる運動のための加速度センシング機構応用- 公募研究 2018-2019

  1. A01 小椋
  2. A01 高橋(秀)
  3. A01 高橋(智)
  4. A01 道上
  5. A01 檜井
  6. A01 湊元
  7. A01 二川
  8. A01 茶谷
  9. A01 川上
  10. A01 秋山
  11. A01 冨田
  1. A02 篠原
  2. A02 三枝
  3. A02 前川
  4. A02 安部
  5. A02 大神
  6. A02 河野
  7. A02 高野
  1. A03 鈴木
  2. A03 中村
  3. A03 原田
  4. A03 小林
  5. A03 宮本
  6. A03 舟山
  7. A03 柿沼
  1. B01 ラザルス
  2. B01 加藤
  3. B01 國枝
  4. B01 北宅
  5. B01 沢野
研究課題名 宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくる運動のための加速度センシング機構応用
研究代表者
河野 史倫
連携研究者
  • 森田 啓之
    岐阜大学 大学院医学系研究科・教授

有人火星探査ミッションに向けた課題とこれまでに分かったこと

有人火星探査ミッションは、物資補給が不可能な最長3年間の超長期宇宙滞在が想定されている。微小重力環境が身体へ及ぼす影響は、地上での運動不足や寝たきりと酷似しており、そのため現在の国際宇宙ステーションにおいては運動機器を使ったトレーニングが実施され効果も認められている。しかし火星探査船内では、スペースや振動発生、温度上昇、搭載物量制限などの問題から、現在と同じ運動機器を使ったトレーニングは困難であると考えられる。河野班は、「宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくる」ことを目標として、簡略化された運動プログラムでも宇宙飛行士の健康を効率良く維持できる理論の確立を目指している。前回テーマ「宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくるための新規エピジェネティクス理論確立」では、運動歴や損傷歴によって骨格筋の廃用性萎縮応答がどのように影響されるのかラットを用いて調べた。その結果、走運動習慣は骨格筋の遺伝子構造を変化させることで不活動に対する遺伝子発現応答性を低下させ、廃用性筋萎縮を予防することが分かった(運動エピジェネティクス)。また損傷後に再生した筋は、不活動に対して廃用性筋萎縮応答は起こすものの、負荷を与えても肥大しにくいことも明らかになった。

運動がもたらす生理刺激としての“加速度”

運動は代謝ストレスやワークロードとして骨格筋特性変化のトリガーとなることはよく知られてきた。前回テーマにおいて我々は、全身振動による加速度刺激によっても運動と類似したエピゲノム変化を骨格筋に誘発できることを明らかにした。この結果から、運動によってもたらされる生理刺激には“加速度”というパラメータがあることが想定できる。加速度は四肢の動きや位置変化などによって発生すると考えられ、質量があるものに対して力学的負荷(メカニカルストレス)となる。重力も加速度パラメータであるため、重力や自転による加速度が存在する地上では、運動によって大きなメカニカルストレスを得ることができる。本テーマでは、骨格筋がどのように加速度を感知するのか?そのセンシングに関わる神経路を明らかにし、運動方法への応用を目指す。通常の運動によって受ける加速度刺激量は微量であるが、加速度要素を拡大した運動方法をつくることができれば、効率良く運動エピジェネティクスを獲得できると考えている。